こんにちは看護学生Sです。次の実習が精神の実習なので実習に行くにあたって法律の必要知識をまとめてみました。
精神保健福祉法
1995年精神保健法を改正.
精神保健福祉法は、精神障害者の保健および福祉に関する事項を規定しています。この法律の主な目的は、精神障害者の権利を保護し、適切な医療および福祉サービスを提供することで、社会参加を支援することです
- 精神障害者の権利保護:精神障害者が適切な医療を受ける権利や、プライバシーが守られる権利などが規定されています。
- 医療と福祉の提供:精神障害者に対して必要な医療および福祉サービスを提供するための体制を整備することが求められています。
- 地域生活支援:精神障害者が地域社会で自立した生活を送るための支援が強調されています。これには、グループホームやデイケア施設の整備などが含まれます。
- 入院・退院の手続き:精神科病院への入院や退院に関する手続きが詳細に定められており、患者の意思を尊重した上での措置が求められています。
- 相談支援体制の強化:精神障害者やその家族が相談できる窓口を設け、必要な支援を迅速に提供することが奨励されています。
精神保健福祉法は、精神障害者が尊厳を持って生活できる社会を実現するための重要な法的枠組みを提供しています。この法律の適用や運用については、自治体や関係機関が協力して取り組むことが求められています。
入院形態
精神科への入院形態には、患者の状態や意志に応じていくつかの種類があります。以下に主な入院形態を挙げます
- 任意入院 患者自身の同意に基づく入院です。患者が入院の意思を持ち、入院を希望する場合に行われます。いつでも本人の意思で退院が可能です。
- 医療保護入院:本人の同意が得られない場合でも、家族などの同意と精神保健指定医の診察に基づいて行われる入院です。重度の精神障害があり、自傷他害の恐れがないが、医療の必要性が高い場合に適用されます。家族や監護者の同意が必要です。
- 応急入院:緊急を要する場合で、医療保護入院の手続きが間に合わない場合に行われる入院です。精神保健指定医の診察により、72時間以内の一時的な入院が可能です。応急的な措置のため、迅速に医療保護入院などの手続きを進めることが求められます。
- 措置入院:自傷他害の恐れがある場合に、都道府県知事が行う入院措置です。精神保健指定医の診察が2名以上必要で、いずれも自傷他害の恐れがあると認めた場合に適用されます。患者の安全を確保するため、強制的に入院させることができます。
- 緊急措置入院:自傷他害の恐れが非常に高く、緊急を要する場合に、1名の精神保健指定医の診察により行われる入院です。72時間以内の一時的な入院が認められます。迅速に措置入院などの手続きを進めることが求められます。
これらの入院形態は、精神保健福祉法に基づき、患者の安全と権利を最大限に尊重しながら適用されます。適切な入院形態を選択することが、患者の治療と回復にとって重要です。
保健医療に関する資源
福祉サービスの多くは,「障害者総合支援法」の成立によって同法に移行したが,税制上の優遇措置やさまざまな福祉サービスが受けられる精神障害者保健福祉手帳制度についてはこの法律が定めている。また都道府県は,地域保健福祉活動の中核となる機関として,精神保健福祉センターを設置することを定めています。
各種依存症についての相談窓口
①保健所 保健所では,アルコール・薬物・ギャンブル依存症の家族相談などを行っている。電話相談と面談による相談があり,保健師,医師,精神保健福祉士などの専門職が対応している。
②精神保健福祉センター 精神保健福祉センターでも,アルコール・薬物・ギャンブル依存症の家族相談を含む,精神保健福祉全般にわたる相談を電話や面接により行っている。
自助グループ・回復支援機関など
さまざまなアディクションの問題をかかえた当事者どうしが,それぞれの問題別に自発的につながり,ともに回復を目ざす自助グループやリハビリテーション施設が日本各地にあり,家族にも対応している。そのほか,民間の回復支援機関や,対策に取り組む民間団体,連絡組織なども多く存在する。その一例として,アルコール依存症者の代表的な自助グループ・回復支援機関などがある
それ以外の資源
- 公的機関の情報源
厚生労働省:健康・医療に関する政策、ガイドライン、統計データなどを提供。国立健康・栄養研究所:健康、栄養、運動に関する研究成果や情報を提供。 - 医療機関
病院・クリニック:診療や治療を受けるための施設。一般的な病院から専門的なクリニック
地域保健センター:地域住民の健康相談。 - 専門団体・学会
日本医師会:医師向けの情報提供や医療制度に関する提言を行う
日本看護協会:看護職の支援、看護に関する情報提供。 - 保健医療関連のホットライン
24時間健康相談:多くの自治体や保険会社が提供する24時間対応の健康相談サービス
救急相談センター(#7119):緊急時に対応が必要かどうかを相談できるホットラン。 - 健康情報ウェブサイト
日本健康情報学会:信頼性の高い健康情報の提供を目指す団体。 - 地域資源
地域包括支援センター:高齢者や障害者を対象にした総合相談窓口。
自立支援医療
自立支援医療は、障害を持つ人々が日常生活を自立して営むための医療を支援する制度です。日本では「自立支援医療(精神通院医療)」という形で提供されており、精神障害者や身体障害者が受ける医療費の自己負担を軽減することを目的としています。
- 対象者
精神障害者:統合失調症、双極性障害、うつ病、発達障害など、精神疾患により長期的な通院治療が必要な方。
身体障害者:身体に障害を持ち、日常生活や社会生活を送る上で医療が必要な方。
知的障害者:知的障害があり、医療の支援が必要な方。 - 対象となる医療
精神通院医療:精神疾患の治療を目的とした通院医療(薬物療法、カウンセリングなど)。
更生医療:身体障害者が自立した生活を送るための医療(義肢装具の製作、心臓術、腎臓透析など)。育成医療:18歳未満の児童が身体の機能改善を目的とした医療(矯正手術、補聴器の適合など)。 - 自己負担額
自立支援医療を利用する場合、医療費の自己負担が原則1割となります。ただし、所得に応じて月額の負担上限が設定されています。低所得者や一定の条件を満たす場合には、自己負担額がさらに軽減されることがあります。 - 申請手続き
申請場所:市区町村の福祉事務所や保健所で申請を行います。
必要書類:自立支援医療費(精神通院医療)支給認定申請書 医師の診断書 健康保険証の写し 所得を証明する書類(必要に応じて) - 更新手続き支給認定は原則1年ごとに更新が必要です。更新の際にも診断書などの書類が必要になります。
- 具体的な支援内容医療費の負担軽減:医療機関での受診や処方薬の費用が軽減されます。福祉サービスとの連携:地域包括支援センターや精神保健福祉センターと連携し、総合的な支援が提供されます。
利用する際の注意点
事前に申請手続きを行い、支給認定を受ける必要があります.認定を受けてからの医療費が対象となり、申請前の医療費は対象外です。自立支援医療は、精神障害や身体障害を持つ人々が、経済的負担を軽減しながら必要な医療を受けることを支援する重要な制度です。
障害者総合支援法による主なサービス
障害者総合支援法(正式名称:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)は、日本で障害者の自立と社会参加を支援するために制定された法律です。
- 介護給付
居宅介護(ホームヘルプ):自宅での入浴、排泄、食事の介助など日常生活の支援。
重度訪問介護:重度の肢体不自由者などに対する自宅や外出先での介護。
同行援護:視覚障害者の外出時における移動や必要な支援。 - 訓練等給付
自立訓練:生活能力向上のための訓練。身体機能や生活技能の訓練を行う。
生活訓練:日常生活の自立に向けた訓練。機能訓練:身体機能の回復や維持を目的とした訓練。
就労移行支援:一般就労を希望する障害者に対して、就職に向けた訓練や支援を提供。
就労継続支援:一般就労が困難な障害者に対して、就労機会の提供や生産活動への参加を支援。
A型:雇用契約を結び、給与を受け取る形態。
B型:雇用契約を結ばず、作業工賃を受け取る形態。 - 相談支援
計画相談支援:障害者が適切なサービスを利用できるよう、個別支援計画を作成し、定期的なモニタリングを行う。
地域生活支援センター:障害者やその家族が生活上の困りごとについて相談できる窓口。 - 地域生活支援
地域活動支援センター:地域での生活を支えるための活動や交流の場を提供。
日中一時支援:日中の一時的な支援や活動の場を提供。 - 福祉用具の貸与・購入
福祉用具の貸与:自立した生活を送るために必要な福祉用具の貸与。
福祉用具の購入費補助:特定の福祉用具の購入費用を補助。 - 住宅改修費の助成
住宅改修:自宅での生活を送るために必要な住宅の改修費用を助成(例:手すりの設置、段差の解消など)。 - 移動支援
移動支援サービス:外出時の移動支援を提供。病院への通院や地域活動への参加などが対象。 - 短期入所(ショートステイ)
短期入所:障害者を短期間施設に入所させることで、家族の負担を軽減。 - 福祉型障害児入所施設
福祉型障害児入所施設:障害を持つ児童が生活するための施設。生活全般の支援を行う。
これらのサービスは、障害者の生活の質を向上させ、地域社会での自立と社会参加を促進することを目的としています。サービスを利用するためには、各自治体の福祉事務所などでの申請や相談が必要です。
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